第22話・3馬鹿、衝突、共闘、そして暴走

 前回までのあらすじ
 ラビ、海ちゃん、みっつで初めて飲みに行く事になり、その前にスガイで羽を伸ばした3人(3馬鹿)は海ちゃんのチョイスした飲み屋「おかぼちゃ」に到着。そして食べ放題が始まった・・・。

 乾杯の後、すぐに一皿目の料理が運ばれてきた。
 みっつ 「とりあえず、食べようか。」
 ラビ 「だな。よし、食べるぞ!」
 なんだかんだで空腹の3人は、箸が大いに進んで、料理は見る見るうちに減っていった。すると、次々に店員が皿を持ってきてテーブルから溢れんばかりの量になった。それと比例して3人の口数は減っていった。
 海ちゃん 「食べる事に集中しますか~。エヘヘへヘ」
 みっつ 「そうだねぇ。この量はヤバイもの。」
 15分程が経過するとビールを空けてしまったラビはおかわりしていたが、金の無い海ちゃんとみっつは最初の一杯で粘っていた。(結局、これで最後まで行ったのだが・・・。)
 ラビ 「美味いけど、肉ばかりで御飯が欲しいぜ。」
 みっつ 「ほんとにな!」
 海ちゃん 「御飯といえば、僕が前にあげた米は食べたのですか?エヘヘへヘ」
 前にあげた米とは、正伝の23話にある米の事である。賞味期限を余裕で飛び越した危険度の高い米である。
 ラビ 「ああ、あの妙な米ね。匂いがキツイからカレーとかにして、食ったよ。無くなった時、玉ちゃんと万歳したもん。」
 この言葉に海ちゃんは、堪えきれずに笑ってしまっていた。その後も、就職や恋愛の話に興じていたら海ちゃんが、こんな事を言い出した。
 海ちゃん 「そういえば、ラビは就職活動で女の子とお知り合いにはならないのですか?アドレス交換したりしてるんでしょ?エヘヘへヘ」
 これに対し、ラビも最初の内は、
 ラビ 「いや、ある訳ないだろ~。」
 と、軽く否定していたが、海ちゃんが執拗に尋ねるので、終いには机を叩きながら、
 ラビ 「何を言ってるんだ!」
 と、テンションが上がってきていた。この海ちゃんの行動は、玉ちゃんに依頼されたもので、最近のラビの様子が不穏なので浮気しているかもしれないので、それとなく聞いて欲しいというものだった。当然、みっつも事前に聞いていたのだが、この露骨に疑う海ちゃんの行動は計算外だったので、なんとか疑われないように両者の間を取り持つように行動した。そして、なんとか場の雰囲気も和み、残った食べ物に対し、
 みっつ 「もうすぐ、時間らしいけど全部食うぞ~!」
 ラビ 「お、おう。頑張るぞ。」
 海ちゃん 「絶対に残せませんよ~。エヘヘへヘ」
 と、気合で食らい付き、異常な量に苦しみながらも協力する事で完食に成功した。店を出た3人は、喉の渇きが限界に来ていたので、すすきのにあるサンクスへと向かったが途中で、
 客引き 「はい、そこのお兄さん達~。内の店で、遊んでいかない?おっぱい、触り放題だよ~。」
 こんな具合の客引きに声を掛けられまくった。
 ラビ 「おっぱい触り放題とか、馬鹿にされてる感じがするぜ。」
 みっつ 「全くだな。」
 と、雑談しながらサンクスに入った3人は思い思いの飲み物をチョイスしたが、特筆すべきは、みっつが北海道限定という言葉に惹かれて「ソフトカツゲン」を選び、海ちゃんが「青りんごカツゲン」を選んだ事だろう。混雑するすすきののサンクス前でみっつと海ちゃんは「カツゲン」を乾きに任せて飲み干す姿は異様であった。
 みっつ 「これから、どうする?」
 海ちゃん 「ビリヤードでもしますか?エヘヘへヘ」
 ラビ 「じゃあ、玉ちゃんに車で来てもらってドライブしようぜ。」
 みっつ 「それも、面白いな。そうしよう!」
 すぐにラビが電話で連絡し、運の良い事にすぐに来れるというので、札幌ファクトリーで待ち合わせにして、3人は徒歩で向かう事になった。途中、二条市場周辺に立ち寄った時、
 海ちゃん 「こ、この匂いは満腹の状態には厳しいですね・・・。エヘヘへヘ」
 ラビ 「だなぁ。かなりキツイ。」
 この後、海ちゃんがやたらと無口になり、前方で話しながら歩いているみっつとラビが、
 ラビ 「海ちゃん、大丈夫か~?」
 と、聞くと海ちゃんは羽織っていたシャツ(ラビ曰く、チンピラのような)をマントのように持って、
 海ちゃん 「ダ~。ダ~。」
 と、謎の行動を何の前触れも無くやり出した。
 みっつ 「壊れたみたいだぞ~。」
 ラビ 「コイツ、置いていくか。」
 と、お荷物扱いされていた。本人が言うには、何か行動して気を紛らわせなければ吐きそうだったらしい。そんな内にファクトリーに到着し、しばらく待っていると玉ちゃんが到着したらしく3人は車へと向かった。

 さて、いかがだったでしょうか?ちなみに、今回の作中で登場する「カツゲン」とはヤクルトとかカルピスを濃くしたような飲み物です~。参考までに書いておきます。次回は、玉ちゃんの車で行くあての無いドライブの模様を描く、第23話「3馬鹿+玉、三味線日和」をお贈りします~。お楽しみに!

※この物語は事実を元に構成されたノンフィクションです。
           [総監督・原作・監修] 海ちゃん
           [脚本・シリーズ構成] みっつ


© Rakuten Group, Inc.